メタバースとVRChatの関係性や違い

そもそも「メタバース」とは

「メタバース」という単語が流行って久しいですが、「メタバース」とは何なのか。

元々はニール・スティーヴンスンの小説『スノウ・クラッシュ』に登場する架空の仮想空間サービスの名称でしたが、現在はXR(VR, AR, MR)などの分野において幅広く使用されています。

では「VRChatはメタバースなのか?」と問われると答えは「Yes」です。
「メタバース」という単語自体にVRを含む幅広い意味があるため否定はできません。

しかし、VRChat公式が「VRChatは公式でNFTやブロックチェーンの技術は使わない、使っていない」と声明を出しています。

VRChatはメタバースではありますが、その「メタバースという単語を使っている側の人たち」の存在する世界と「VRChatを普段遊んでいる側の人たち」の存在する世界はかなり違いがあるからです。


界隈の違い、認識の違い

メタバースとNFTや仮想通貨を使用した商材・商売の世界

まず「メタバース」という単語と「NFT」「仮想通貨」などの単語がセットで語られている場合はこちら側であることが多いです。

こちら側は遊びというよりもビジネス色が強く、主にNFTの売買や仮想通貨の商材がメインとなります。

そのため、NFTや仮想通貨とセットで「メタバース」が語られていた場合はその殆どは「VRChat」などのVRSNSではなく、あくまで「NFTの売買(デジタルイラストや3Dモデルなど)」や「仮想通貨の取引(仮想空間内の土地の購入など)」ができるプラットフォームに限定されています。

アバターを使用したVRコミュニケーションの世界

そして「VRChat」などのVRSNSはこちら側であることが多いです。

主にVR機器(HMD)を使用して、個人同士のコミュニケーションや遊びの場が中心となっています。

これらのプラットフォームは主に現実の通貨や専用の内部通貨でやり取りされており、NFTや仮想通貨でのやり取りは行われていません(NeosVRを除く)。
※VRChatならVRChat Credits、clusterならクラスターコインなど。
※NeosVRは独自の仮想通貨である「NCR」があり、こちらはブロックチェーンと紐づいていますが、これらは必須ではない。

そのため、「メタバース」という単語が出てきた場合は主に前者を指している場合が多く、VRChatはこれに含まれないため「YesともNoとも言える」のが現実です。


NFT、イーサリアム(ETH)、ブロックチェーンなどとの関係性

前述の通り、「VRChat」は基本的にこれらの技術とはほぼ無縁です。
※ただし、ごく少数ですがNFTとして販売されている3Dアバターもあります。

NeosVRなど通貨の一部として仮想通貨が取り入れられているVRSNSもあります。
また、VRChatは「VRChat Credits」という専用の内部通貨を持っていますが、こちらはあくまで追加コンテンツ(課金コンテンツ)扱いなので仮想通貨とは無関係で、ソシャゲでいうガチャ石みたいなものです。

用語簡易説明
NFTNon-Fungible Token(代替不可能なトークン)の略。
ETH (Ether)イーサリアムと呼ばれる仮想通貨の1つ。
NFTの売買はETHやWETH(Wrapped Ether)などが主に使用されています。
ブロックチェーン仮想通貨などで使用される技術。
これにより取引の改ざんが難しくなっている。

これらはすべて「VRChatとは基本無縁である」と覚えておいて問題ありません。


VRChatを始めるのにNFTも仮想通貨も必要ない

ここまで読んだ方はわかると思いますが「VRChatを始めるのにまずは仮想通貨を購入しよう!」といった内容は基本的に事実と異なっています。

VRChatに限らず、記事執筆時点での主要なVRSNS(VRChat, cluster, VirtualCast, NeosVR, Resonite, xambrなど)では仮想通貨もNFTも必要ありません。

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